歌い手だからといって太らなければならないことはないと思っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 こんにちは。今日は体重のお話です。

 

 私は音大生時代、ときどき師匠からもう少し太りなさいと言われていました。しかし体質のせいか結局太りませんでした。勿論今後どうなるかは分かりませんが。

 

 そもそも何故太れと言われたのか理由はもう覚えていませんが、ここで歌い手が太るのことの利益と不利益を考えてみましょう。

 

◎利益

①声を支えるのが楽になる(かもしれない)

 

 これは以前オペラで共演した先輩からお聞きしたことですが、その先輩は30代になって太ってから歌うのが楽になったそうです。私自身は太ったことがないのでまだ検証できていませんが、歌い手の中にはかなり太っている人が少なからずいるので、そういう効果があるのかもしれません。

 

②舞台上で存在感がある

 

 以前オペラに出演した際、男性キャスト陣に太った人が多いときがありました。稽古中彼らを見ていると、ドーンとしっかりそこにいるという印象を受けました。つまり存在感がかなりあったのです。これは素直に羨ましいと思いました。細いと華奢に見えるので損をする場合があります。

 

◎不利益

①特に女性の場合、見た目が悪くなる

 

 男性の場合はそんなに問題にならないのですが、女性の場合、可憐で美しい役をやる際、見た目の部分で問題が生じます。「肺病で死ぬ患者がそんなに太っているか?」と観客に思われたりします。

 

②糖尿病などの生活習慣病に罹患する危険性が高くなる

 

 これは歌い手に限った話ではありませんが、あまりに太っていると生活習慣病にかかりやすくなってしまいます。糖尿病の薬を飲んでいるテノールの方を知っています。また、足や膝に負担がかかるので、整形外科的な問題が起こる場合もあるでしょう。

 

 以上を総合すると、どちらがいいとは一概に言えません。ただ私の経験上、細くても声はちゃんと出ますので、楽になるために無理矢理太らなくてもいいと思います。実際、私より細くて私よりはるかに上手な女性の歌い手と共演したこともありますので、上手くなるために太っている必要はありません。

 

 体質や歌う上で何を優先するか等、人によって様々ですので、無理に太ったり急激に痩せたりする必要は無いと思います。

 

 写真は現在の私の体重です。