「我々は緯糸(よこいと)」

 おはようございます。

 

 題名の「我々は緯糸」というのは、私が大学院生だった頃にあった、日本舞踊の授業の先生が仰った言葉です。以下に詳しく書きますね。

 

 先生は、「世の中を動かす正業に就いている人(多分、会社員や公務員、その他堅気の仕事のことだと思います)は経糸(たていと)、我々のような舞踊家や音楽家は緯糸。緯糸は経糸を潤わさなければならない」と仰いました。

 

 実際に世の中を作り、維持しているのは「まともな仕事」をしている人達で、舞踊家や音楽家はいなくてもそんなに困らない人種だから、せめてそういう人達の心の潤滑油になって役に立ってあげなければならないということを、「経糸」と「緯糸」という言葉で表現されたようです。

 

 これには私も同感です。日本舞踊の先生は他人の悪口ばかり言う人で、人間としては尊敬できませんでしたが、この視点には同意できました。

 

 私の生徒さんの中には、「レッスンが励みになるので仕事も頑張れます」と言ってくださった方がいらっしゃいます。緯糸冥利に尽きる瞬間でした。